まごころとは…

天皇の料理番の中で、転機が訪れたトクゾウに繰り返し関わってくる言葉が、

まごころ

でした。

仕事が終わってから、華族会館のトップであるウサミ氏が、自分の包丁を丁寧に研ぐシーンで、
トクゾウは何故そんなに包丁を研ぐのかとウサミ氏に聞きます。

この前段のエピソードとして、華族会館では鍋は二度洗いすることになっているものを、洗い物や雑用の仕事ばかりやらされて辟易していたトクゾウは、二度洗いをサボって一度しか洗わず、それがウサミ氏にバレて問題になるというものがありました。
鍋のかすかな匂いに気づいてウサミ氏はトクゾウを問い詰めるのですが、それに対してトクゾウは、一度洗いでも今まで誰も気づかなかった!やる必要があるのか!と反発します。

どちらも誰の目にも見えない小さなこと。
でも、鍋のかすかな匂いが元で味を損ねたら、包丁のわずかな切れ味の違いで、食感を損ねたら。

その気遣いはまごころなのではないかとウサミ氏は諭します。

ウサミ氏の心を知って深く納得したトクゾウは、どんな雑用でも相手が仕事をしやすいように気を配り始めます。

その時に打算があったわけではないと思いますが、そうしたトクゾウの様子に、いままで頑ななまでに仕事を見せてくれなかった先輩たちが、仕事を見せてくれて教えてくれるようになります。

それが嬉しくて、さらに相手の仕事に役立つようなサポートをして、次第に彼は認められていきます。

まず自分がやる。出す。与える。
損得は二の次。

そういった前向きなエネルギーが、彼の回りに新たなエネルギーを運んできたように思います。

少し前に、エネルギー循環で、
まず出す事と言うことについて考える機会があって、意識とスイッチって思ったんだけど、またすぐ忘れてますな…(苦笑)

天皇の料理番を見ながら、ああこれもエネルギー循環は先に送り出すということだな…と思ったので、ここに書き残しておこうと思います。

また忘れても思い出せるように。